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2016年06月09日
ブルージルコンペンダント
お客様にルースをお選び頂き、セミオーダーでお造りしたブルージルコンのペンダントトップが完成いたしました。
スリランカで18世紀頃に発見された天然石『ジルコン』は、ダイヤモンドの代用として使われてきましたが、そのことでもわかるように強烈な屈折率の高さが特徴で、宝石を正面から見た時に、キューレットと周囲のファセットの稜線が二重になる『ダブリング』という結晶内部の光の運動を肉眼でも確認できる宝石です。
その現象から輝きの強さが素晴らしく、豊かな輝きを宿しています。
現在でも『ダイヤモンド』の代用品に使われる『キュービックジルコニア』との誤解が払拭されず、天然石として産出しているジルコンが『模造品・人造石』と勘違いされたままとなっている不遇の宝石です。
また、ブルージルコンは、直射日光が当たると色が褪せていきます。
大体、1時間で約5割も褪せていくとされているので、ちょっと驚いてしまいますが、暗い所で保管すれば元に戻ります。
色褪せが心配な気持ちは分かりますが、元の色に戻るには数日かかりますので、注意が必要です。
また、非常に欠けやすい石ですので、衝撃を受けることが少ないブローチやペンダントの方が品質を維持するには適していると言えます。
それにしても画像で見るよりも実物は何倍も美しい宝石です。顕微鏡で宝石内部を見ていたらあまりの光の屈折とダブリング効果で目がクラクラ、酔ってしまいそうでした!
これからの季節、爽やかで鮮やかなブルーの宝石をお楽しみ頂ければ幸いです。
参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
中央宝石研究所パンフレット